VMware Fusionを使ってゲストOSを運用していると、IPアドレスを固定化したい場面が出てきます。特に、NAT接続を使用する場合、IPアドレスが動的に割り当てられると外部から接続するときに毎回IPの設定を変える必要があり手間です。 本記事では、NAT接続時にゲストOSのIPアドレスを固定化する方法を、具体的な手順を交えて解説します。
IP固定化に必要な情報を収集
今回は、NAT接続時にゲスト側OSのIPアドレスを固定化する方法で紹介します。 まず、IP固定化に必要なネットワーク設定を、ホスト側(Mac側)のVMware Fusion設定から取得します。
ゲートウェイアドレス、サブネットマスク
/Library/Preferences/VMware Fusion/vmnet8/nat.conf
の以下の部分より「ゲートウェイアドレス」と「サブネットマスク」を取得します。
# NAT gateway address
ip = 172.16.121.2
netmask = 255.255.255.0
IPアドレス
/Library/Preferences/VMware Fusion/vmnet8/dhcpd.conf
には、DHCPサーバーのIP自動割り当て範囲が記載されています。固定するIPは、同じサブネット内で自動割り当て範囲外のIPアドレスにします。
range <開始ip> <終了ip>;
の部分が自動割り当てを行うIPの範囲の設定です。なので、以下のような設定になっている場合は、「172.16.121.3」〜「172.16.121.127」の中で固定するIPを決めます。(この記事では固定IPに「172.16.121.121」を設定する想定で後述の説明は書いてます)
###### VMNET DHCP Configuration. Start of "DO NOT MODIFY SECTION" #####
# Written at: 01/14/2025 08:44:28
allow unknown-clients;
default-lease-time 1800; # default is 30 minutes
max-lease-time 7200; # default is 2 hours
subnet 172.16.121.0 netmask 255.255.255.0 {
range 172.16.121.128 172.16.121.254;
option broadcast-address 172.16.121.255;
option domain-name-servers 172.16.121.2;
option domain-name localdomain;
default-lease-time 1800; # default is 30 minutes
max-lease-time 7200; # default is 2 hours
option netbios-name-servers 172.16.121.2;
option routers 172.16.121.2;
}
host vmnet8 {
hardware ethernet 00:50:56:C0:00:08;
fixed-address 172.16.121.1;
option domain-name-servers 0.0.0.0;
option domain-name "";
option routers 0.0.0.0;
}
####### VMNET DHCP Configuration. End of "DO NOT MODIFY SECTION" #######
ゲストOS側で固定IPを設定
続いて上で取得した情報をもとに、ゲストOS側のネットワーク設定を変更していきます。
まず、nmtui
コマンドを叩いて、GUI形式のネットワーク設定画面を表示します。
その後、[Edit a connection] -> [ネットワークデバイス名] を選択し、以下のように設定をします。
項目 | 値 |
---|---|
Addresses | 固定化したいIPとサブネットマスクを設定 |
Gateway | nat.conf より取得したアドレス |
DNS servers | DNSサーバーのアドレス<br>特段、DNSサーバーの指定要件が無ければ、GoogleのDNSを設定しておく |
設定が終わったら「OK」を押して、ゲストOSを再起動します。
ネットワークの疎通確認
ゲストOS側でifconfig
コマンドを叩いて、IPアドレスが固定化されているか確認します。
ens160: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 172.16.121.121 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.16.121.255
inet6 fe80::250:56ff:fe2e:19a8 prefixlen 64 scopeid 0x20<link>
ether 00:50:56:2e:19:a8 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 37935 bytes 52895754 (50.4 MiB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 5398 bytes 945475 (923.3 KiB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
device interrupt 46 memory 0x3fe00000-3fe20000
nslookup
やcurl
コマンで外部のインターネット接続が正常にできるか確認します。
nslookup www.yahoo.co.jp
とか
curl https://www.yahoo.co.jp
まとめ
本記事では、以下のステップでVMware FusionのゲストOSに固定IPを設定する方法を解説しました。
- ホストOS側の設定ファイルからネットワーク情報を収集
- ゲストOSのネットワーク設定を変更して固定IPを設定
- ネットワークの疎通確認で正常に動作することを確認
これらの作業を行うことで、外部から接続する時に毎回IPを変える必要がなくなるため利便性が向上しますので、ぜひ試してみてください。
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