Flutterでクロスプラットフォーム対応のファイル操作

2024年5月6日月曜日

Flutter

t f B! P L

はじめに

Flutterで、マルチデバイスに対応したドキュメントディレクトリにファイルを作成し、データの読み書きをする方法を解説します。

path_providerとpathのライブラリを追加

path_providerライブラリは、ファイルシステムの各種パスを取得するためのFlutterプラグインです。このライブラリを使用すると、プラットフォームに依存しない方法でローカルファイルのパスを取得できます。一方、pathライブラリは、クロスプラットフォーム対応のパス操作を提供し、ファイルシステムのパスを操作する際の便利なツールを提供します。

インストール手順

以下のコマンドでpath_providerpathをインストールします。

flutter pub add path_provider
flutter pub add path

またはpubspec.yamlに、以下を追加します。

dependencies:
  path_provider: ^2.1.3
  path: ^1.9.0

ファイルの書き込み

以下のDartコードは、アプリケーションドキュメントディレクトリにsample.txtという名前のテキストファイルを作成し、その中にデータを書き込む方法を示しています。

import 'dart:io';
import 'package:path/path.dart';
import 'package:path_provider/path_provider.dart';

Future<File> _writeTextToFile() async {
  final directory = await getApplicationDocumentsDirectory();
  final file = File(join(directory.path, 'sample.txt'));
  return file.writeAsString("ファイルに書き込む内容");
}

ファイルの読み込み

以下のコードは、先ほど作成したsample.txtからテキストデータを読み込む方法を示しています。

import 'dart:io';
import 'package:path/path.dart';
import 'package:path_provider/path_provider.dart';

Future<void> _readTextFromFile() async {
  final directory = await getApplicationDocumentsDirectory();
  final file = File(join(directory.path, 'sample.txt'));
  // Read the file
  String contents = await file.readAsString();
}

path_providerを使った様々なディレクトリの取得

path_providerライブラリでは、アプリケーションが使用するファイルやデータを保存するための様々なディレクトリを提供しています。以下に、主要な関数を紹介し、それぞれがどのようなパスを提供するのかを解説します。

getApplicationDocumentsDirectory

この関数は、アプリケーションのドキュメント用ディレクトリへのパスを提供します。このディレクトリは、アプリケーションがユーザーによって生成されたデータやアプリケーション固有のデータを保存するために使用されることが一般的です。例えば、データベースファイルやカスタム設定ファイルなどがこれに該当します。

getTemporaryDirectory

getTemporaryDirectory関数は、一時ファイルを保存するためのディレクトリへのパスを返します。このディレクトリに保存されたファイルは、デバイスのストレージが圧迫された場合にシステムによって削除される可能性があります。キャッシュデータやダウンロードしたファイルの一時保存に適しています。

getExternalStorageDirectory

Androidデバイスにおいて、getExternalStorageDirectory関数は外部ストレージのディレクトリへのパスを提供します。このディレクトリは、アプリケーションが外部メディアにデータを保存する場合に使用されます。注意点として、この関数はiOSでは使用できません。

getExternalCacheDirectories

getExternalCacheDirectories関数は、外部キャッシュディレクトリへのパスを複数返します。これらのディレクトリは、一時的なキャッシュデータを保存するのに適しており、システムがストレージを管理する際に、これらのディレクトリ内のファイルを削除することがあります。この関数もAndroid専用で、iOSでは利用できません。

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