Exif Toolは、画像ファイルからExif情報を取得、編集するための強力なコマンドラインツールです。デジタル写真に含まれる撮影日時、カメラの設定、位置情報などのメタデータを読み取り、必要に応じて変更することができます。このツールは、写真整理やプライバシー保護、撮影データの分析など、様々な用途に利用することが可能です。
Exif Toolのインストール方法
Exif ToolはPerlで書かれたスクリプトであり、Windows、MacOS、Linuxなど多くのオペレーティングシステムで動作します。Exif Toolをインストールする方法は、大きく次の3つのがあります。
公式ウェブサイトからのダウンロード
すべてのユーザーが、ExifTool by Phil Harveyの公式ウェブサイトから直接Exif Toolをダウンロードしてインストールすることが可能です。ダウンロード後、サイトに記載された指示に従ってインストールを完了させてください。
macOSでのインストール
macOSユーザーは、Homebrewというパッケージ管理ツールを通じてExif Toolを簡単にインストールできます。以下のコマンドをターミナルに入力するだけです。
brew install exiftool
Linuxでのインストール
Linuxユーザーも、使用しているディストリビューションのパッケージ管理システムを利用してExif Toolをインストールできます。例えば、Ubuntuを使用している場合、apt
コマンドを使ってインストール可能です。
sudo apt install exiftool
Exif情報の閲覧
Exif Toolを使用すると、画像ファイルに含まれるExif情報を簡単に閲覧することができます。ここでは、Exif情報を閲覧するための基本的なコマンドの使用方法と、出力される情報の内容について説明します。
基本的な使用方法
Exif情報を閲覧する基本的なコマンドは非常にシンプルです。ターミナルやコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力します。
exiftool [画像ファイルへのパス]
ここで、[画像ファイルへのパス]
は閲覧したい画像ファイルの場所を指します。例えば、example.jpg
というファイルのExif情報を見たい場合、コマンドは以下のようになります。
exiftool example.jpg
このコマンドを実行すると、画像ファイルに含まれるExif情報が一覧で表示されます。
出力内容の説明
Exif Toolによって出力される情報には、画像の撮影に関する様々なメタデータが含まれます。以下は出力される情報の一部の例です。
- ファイル名: 画像ファイルの名前。
- ファイルサイズ: 画像ファイルのサイズ。
- 画像の幅と高さ: 画像のピクセル単位の寸法。
- 撮影日時: 画像が撮影された日時。
- カメラのメーカーとモデル: 画像を撮影したカメラのメーカー名とモデル名。
- 焦点距離: 撮影時のレンズの焦点距離。
- 露出時間: シャッターが開いていた時間。
- ISO感度: 撮影時のカメラのISO設定。
- GPS情報: 画像が撮影された場所のGPS座標(存在する場合)。
Exif情報にはこれら以外にも多くのデータが含まれることがあります。例えば、使用されたカメラの設定、画像が編集されたかどうか、使用されたソフトウェアなど、詳細な情報を知ることができます。
Exif情報の編集
Exif情報の編集を行うことで、撮影日時の調整、位置情報の追加や削除、カメラの設定情報の変更など、画像ファイルに埋め込まれたメタデータを自由にカスタマイズすることができます。
Exif情報編集時の構文
Exif Toolを使用してExif情報を編集する基本的なコマンドの構文は以下の通りです。
exiftool -[タグ名]=[新しい値] [画像ファイルへのパス]
撮影日時の編集
「DateTimeOriginal」を変更する方法
撮影日時は写真のメタデータの中でも特に重要な情報の一つです。カメラの時刻設定が間違っていた場合や、異なるタイムゾーンで撮影した写真の時刻を調整する際に、この値を編集することがあります。
exiftool -DateTimeOriginal="YYYY:MM:DD HH:MM:SS" [画像ファイルへのパス]
このコマンドでは、YYYY:MM:DD HH:MM:SS
には新しい撮影日時を入力します。この操作を行うと、指定した画像のオリジナルの撮影日時が新しい値に変更されます。
日付をまとめて変更する「alldates」
複数の日付関連のメタデータを一括で変更するには、「alldates」オプションを使用します。
exiftool "-alldates="YYYY:MM:DD HH:MM:SS" [画像ファイルへのパス]
GPS情報を編集
GPS情報の編集は、写真に記録された撮影場所を修正したり、プライバシーを保護する目的で位置情報を削除したりする場合に便利です。
exiftool -GPSLatitude=[緯度] -GPSLatitudeRef=[NまたはS] -GPSLongitude=[経度] -GPSLongitudeRef=[EまたはW] [画像ファイルへのパス]
このコマンドを使って、緯度、経度、およびそれぞれの参照(北緯か南緯、東経か西経)を指定することで、写真のGPS情報を編集することができます。
「-overwrite_original」オプションで既存のファイルを上書き
Exif情報を編集した際、デフォルトでは元のファイルは保持され、編集された新しいファイルが生成されます。しかし、-overwrite_original
オプションを使用することで、編集された情報で元のファイルを直接上書きすることが可能です。
exiftool -overwrite_original -[タグ名]=[新しい値] [画像ファイルへのパス]
このオプションを使用する際は、元のデータが失われることに注意してください。
Exif情報を全て削除するコマンド
Exif情報には、撮影日時やカメラのモデルだけでなく、GPS情報などの個人情報が含まれることがあります。これらの情報が第三者によって利用されると、プライバシーの侵害につながる可能性があります。
写真からExif情報を完全に削除する場合は、以下のコマンドを使用します。
exiftool -all= [画像ファイルへのパス]
また、複数のファイルに対して一括でExif情報を削除したい場合は、ファイルを指定する部分にワイルドカード(例: *.jpg
)を使用するか、ディレクトリパスを指定します。
exiftool -all= -overwrite_original [ディレクトリパス]
まとめ
Exif Toolで写真のExif情報を取得および編集する方法を紹介しました。
Exif情報には、GPSなどの個人情報特定に繋がる情報が含まれています。特に、写真を一般に公開する場合は特に注意が必要です。
X(旧Twitter)やInstagramなどの主要なSNSは、写真をアップロードする際に自動的にExif情報を自動的に削除してくれるため、基本的には心配する必要がありません。
ですが、全てのサービスが削除してくれているとは限らないため、そうした時はExif Toolを使ってExif情報を編集してからアップするようにしましょう。
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