2023年7月7日、OpenAIが有料プランであるChatGPT Plusの公式プラグインとして「Code Interpreter」の提供を開始しました。
Code Interpreterは、Chat GPT上でPythonコードを生成・実行することができ、入出力するデータ等をファイルでアップロード・ダウンロードしたりすることができます。
Code Interpreterの有効化
Code Interpreterは現在ベータ版として提供されています。この機能を利用するためには、設定画面から [Bate features」→ [Code Interpreter] の機能を有効にする必要があります。
Code Interpreterで何ができる
この新たなプラグインは、Pythonコードの生成とデータ管理に特化しています。以前からChat GPTはPythonのコード生成を行うことが可能でしたが、このプラグインは、よりプログラミングに特化しています。
コードの生成と説明
Code Interpreterは、ユーザーが作りたいプログラムを自分の言葉で説明するだけで、ChatGPTがそれを理解し、適切なPythonコードを自動生成します。さらに、既に存在するコードについても、その動きを説明することが可能です。
これにより、コードの一部分の動作が理解できない学習者でも、Code Interpreterに問い合わせれば、そのコードが何を実行していて、それがどうしてそう動作するのかを明確に説明してくれます。
グラフの作成
入力したデータや計算結果を分析し、その結果を視覚的に理解するためにグラフを作成することが可能です。この機能により、データのパターンや傾向を直観的に把握することができます。
一部の画像生成・分析
Stable Diffusionのような画像生成の機能は無いですが、入力したデータから作成できる図形やQRコードなどの画像生成は可能です。また、画像をアップロードして各種分析することも可能です。
ファイルのアップロード
アップロードされたファイルの分析や編集ができます。例えば、統計データなどをCSVでアップロードしてデータを可視化するような使い方ができます。
ただし容量には制限があります。アップロード可能なデータサイズは500MBまで、1セッションで使用可能なストレージ容量は3GBまでとなっています。とはいえ、これだけ容量があれば十分でしょう。
色々なケースでの活用例
実際にCode Interpreterを使用して、Pythonのコード生成・データ可視化・データの出力を試してみます。
正弦波の生成
「50Hzの正弦波を作成」という指示を出すと、こんな感じ可視化されたグラフが生成されます。
「Show work」をクリックすると、生成されたPythonのコードを確認できます。
「この正弦波のデータをCSVで出力」のような感じで指示を出すと、作成した正弦波のデータをCSV形式でファイルをダウンロードできます。
画像変換
画像をアップロードして、色々と加工してみます。
以下、元画像です。
モノクロに変換。
輪郭抽出。
画像認識、深層学習が必要な「動物の種類を判定」などの命令はできません。
データの整形
CSVのデータ整形し、分析可能な状態に加工できます。
サンプルとして内閣府が公開している市区町村別の人口統計のデータを使います。このデータは、次のように先頭行に注釈があったり、ヘッダが2段になっていたりするなど、とてもそのままでは2次元データとして使えません。
(出典:市区町村別 人口・経済関係データ
では、以下のプロンプトを与えて、データを整形してもらいます。
すると、何ということでしょう。余分な注釈や2段になったヘッダが整形され、分析データとして使えるCSVになりました。
整形したデータをダウンロードする場合は、以下のプロンプトを入力します。
データの分析
アップロードされたデータの集計や分析も可能です。
上で作成した市区町村別の人口推移のCSVファイルに、都道府県の列を追加し、都道府県別に集計してみましょう。
まず、都道府県の列を追加します。
都道府県ごとにデータを集計します。
ついでに、人口増加・人口減のTOP3を、それぞれ計算します。
リリース直後のためエラーになることも
Code Interpreterは、新しい機能としてのリリース直後であるため、使用中にエラーや不具合が生じる可能性があることがあります。また、ベータ版としてリリースであるため、もしからすると将来的に機能が無くなるかもしれません。
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